次期社長の執着愛。 〜御曹司だと知らずに逃げた苦労人女子なのに、社長になって、全力情愛で追いかけてくる。〜

次期社長の執着愛。 〜御曹司だと知らずに逃げた苦労人女子なのに、社長になって、全力情愛で追いかけてくる。〜

last updateDernière mise à jour : 2026-03-25
Par:  伊桜らなEn cours
Langue: Japanese
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主人公の聖菜(せな)は、高校の頃からアルコール中毒の父を養っている苦労人。現在は、村岡貿易がやっていた五年働けば奨学金は返さなくてもいい企業奨学金制度を利用して大学に行っていたので現在も村岡貿易の総務部管理課にて広報業務を担当している。そして、同期で同じ総務課の船舶管理課・課長の沼瀬(ぬませ)と付き合っていたのだが……。

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Chapitre 1

1、普通の幸せ(1)

「おはようございます」

朝八時に会社に入った私は出勤の打刻をして、総務部管理課と書かれているオフィスに入り挨拶をしてデスクに座る。

「おはようございます、木ノ下先輩」

「おはよう、|岡《おか》さん」

私、|木ノ下《きのした》|聖菜《せな》は貿易会社としては大手である村岡貿易株式会社にて働いている。今はもう六年目だ。

村岡貿易株式会社は創業百周年を迎えた歴史のある会社で、貿易会社としては有名だ。外航・内航海運事業から始め、今では外航・内航海運事業の他にも物流事業や旅客船事業、地域活性化推進事業がある。

そして部署は本社にあるのは船舶管理部門、船舶営業部門、管理部門で、海上職の乗船業務がある。私は管理部門である総務部管理課の広報業務を担当している。ホームページや会社パンフレットの社外に発信していくツールの制作や社内報を制作するのが仕事だ。そして、グループ会社の商品をSNSにて配信することにも少しだけ関わっている。

隣に座るのは岡さんといって三つ下の後輩だ。私が初めて教育係をした子で、今でも仲良くしているし頼りになるので助かっている。

「木ノ下さん、運航部から連絡がありました。提案されていた候補の中の寄港日で撮影大丈夫だそうです」

「ありがとう、岡さん。じゃあ、撮影部に連絡取らないと」

「撮影部には昨日連絡してあります。撮影チーフの大和さんはいつでも大丈夫だそうです」

「え、ありがとう。助かる〜じゃあ、連絡してみるよ」

岡さんは昨日アポ取りした内容をメモにまとめてくれていたからそれを見て、スケジュール確認を再度してから撮影部の内線で電話を掛けた。

撮影部と運航部のスケジュールを確認して撮影日が決定して両方に確認メールを送信し終わった時にはもうお昼のチャイムが鳴った。

お昼になりパソコンを閉じ、スマホをカバンから取り出して見る。するとタイミングよく彼からメッセージの通知が来ていた。

【いつもの喫茶店で待ってる】

メッセージアプリを開いてトーク画面を見て内容を確認すると、私は子犬のゆるキャラがグッサインをして【了解】と言っているスタンプを送った。

「先輩、今日は彼氏さんとですかー?」

「うん。出張から帰ってきたみたいだから」

「そうなんですね〜いいですねぇ、確か、営業の方ですよね! 私、入社した時に先輩たち見て美男美女だなぁって思ってたんです」

岡さんは「私は寂しく一人弁当です」と言ってお弁当袋を取り出した。

「岡さんはいつも手作りしていてすごいなぁって思うけどな。毎日手作りでしょ?」

「節約ですよ、節約。先輩、早く行かないと彼氏さん待ってるんじゃないですか? お昼休みも終わっちゃいます」

「あっ、そうだった。岡さんと話をするのは楽しくてついつい……ありがとうね、行ってくるね」

「先輩って本当可愛いですねぇ、トキメキました。はい、行ってらっしゃい〜」

話を切り上げて私はエレベーターホールに行くと喫茶店にいるって言ってたはずの彼が壁にもたれ掛けていて私と目が合うと「聖菜」と近寄ってくる。

「|桜志《おうし》くん、喫茶店で待ってるって言ってなかった?」

「うん、そのつもりだったから席だけ取って待ってたんだが聖菜に早く会いたくて迎えに来ちゃった。すれ違いにならなくてよかった」

「あ、ありがとう。桜志くん。出張で疲れているのにごめんね」

「俺が会いたかっただけなんだよ。気にしないで。じゃあ、行こう」

エレベーターで下に降りて会社を出て少し細い路地に入り奥に歩くと【喫茶花華】と言う看板が見えた。扉を開けると、愛想の良いおじいちゃん店長さんが迎えてくれた。

「いらっしゃい、聖菜さん久しぶりだねぇ」

「はい。ご無沙汰になってしまいました」

「桜志くんも久しぶりだし、ここは二人が来ないと誰も来てくれないから覚えて来てくれるだけで嬉しいよ。ありがとうね、ご注文は何にしましょう」

「いつもと同じものある? 飲み物はブレンドをください。聖菜は?」

桜志くんに問われて私も同じものを頼むと、店長さんが「もちろんありますよ。用意あります」と言ったのでそれを注文する。

「ブレンドコーヒーを二つと、カツサンドとおすすめフルーツサンドを一つずつでよろしいでしょうか?」

「うん。よろしく頼むよ」

私たちはいつも同じものを頼むので店長さんも慣れたものだ。

料理が来るまでお互いに近況報告と出張土産を出した。

「シンガポールのお土産買って来た。パイナップルケーキとプラナカン柄のマグカップにティーパックの紅茶に石鹸も。聖菜、好きかなぁって」

「ありがとう、桜志くん」

「選ぶの楽しいんだ。あと、管理課の人たちに渡してくれる? ティーパックとパイナップルケーキ。人数分あるから」

パイナップルケーキは、プラナカン柄のかわいい小さな箱に入っていてピンク・水色・黄色の三色が見える。それにティーパックもカラフルで味が違っていて選ぶの楽しそうだ。

「ありがとう、みんな喜ぶよ」

「……そうだ、聖菜。話したいことがあるんだけど」

「ん? どうしたの?」

お水をちびちびと飲みながら聞こうとすると「お待たせしました」と店長さんがコーヒーカップを二つテーブルに置いた。

「で、これがカツサンドでフルーツサンドね」

取り皿も置いとくね、と言うと伝票代わりの番号札を置いた。

「じゃ、ごゆっくりどうぞ」

店長さんがそう言って去っていき私は言いかけていたことはなんだったのか桜志くんに問いかける。

「うん、まぁ……食事しよう。昼休み終わっちゃう」

「そうだね。じゃあ、いただきまーす!」

手を合わせてからカツサンドを頬張る。カツの衣がサクッとしていてお肉はふわふわで柔らかい。噛めば噛むほどに肉汁が溢れてくるし、パンの小麦粉の甘みがとてもいい。相変わらず美味しい。コンビニとかスーパーのカツサンドは揚げ物です!って感じで気持ち悪くなるけど、ここのカツサンドはポン酢ベースのタレでさっぱりとしている。ペロリと食べ終わり次にはフルーツサンドに目を移す。

今回のフルーツはいちごで生クリームとカスタードに包まれている。美味しそうだなぁと思いながら手に取り、かぶり付く。イチゴの甘酸っぱさと甘く濃厚なカスタードに生クリームのまろやかさが完璧だ。口の中が甘くなったところでコーヒーを飲んだ。コーヒーの苦さに甘いサンドが合うんだよなぁ、うんやめられない。

あっという間に完食してしまい「ごちそうさまでした」と手を合わせて言うと、目の前に座っている桜志くんがこっちを見ていた。

「お、桜志くん。どうしたの?」

「ん? 聖菜は、可愛く食べるなぁって思って」

「……っか、可愛くない」

「可愛いよ、聖菜は。そういえば今日夜空いてる?」

夜……?今日は何もなかったと思うけど。

「うん、大丈夫だと思うよ」

「よかった。今日さ、|理人《まさと》が同期会やろうって言ってたんだよ。いつもの店集合だって」

「へぇ、久々だね」

「|瑞希《みずき》と一緒に来るって。だから俺らも仕事終わったら一緒に行こう」

その後、いつものように談笑をしながらコーヒーを飲み終わると昼休みが終わってしまいそうな時間になったので二人で喫茶店を出た。

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1、普通の幸せ(1)
「おはようございます」 朝八時に会社に入った私は出勤の打刻をして、総務部管理課と書かれているオフィスに入り挨拶をしてデスクに座る。 「おはようございます、木ノ下先輩」 「おはよう、|岡《おか》さん」 私、|木ノ下《きのした》|聖菜《せな》は貿易会社としては大手である村岡貿易株式会社にて働いている。今はもう六年目だ。 村岡貿易株式会社は創業百周年を迎えた歴史のある会社で、貿易会社としては有名だ。外航・内航海運事業から始め、今では外航・内航海運事業の他にも物流事業や旅客船事業、地域活性化推進事業がある。 そして部署は本社にあるのは船舶管理部門、船舶営業部門、管理部門で、海上職の乗船業務がある。私は管理部門である総務部管理課の広報業務を担当している。ホームページや会社パンフレットの社外に発信していくツールの制作や社内報を制作するのが仕事だ。そして、グループ会社の商品をSNSにて配信することにも少しだけ関わっている。 隣に座るのは岡さんといって三つ下の後輩だ。私が初めて教育係をした子で、今でも仲良くしているし頼りになるので助かっている。 「木ノ下さん、運航部から連絡がありました。提案されていた候補の中の寄港日で撮影大丈夫だそうです」 「ありがとう、岡さん。じゃあ、撮影部に連絡取らないと」 「撮影部には昨日連絡してあります。撮影チーフの大和さんはいつでも大丈夫だそうです」 「え、ありがとう。助かる〜じゃあ、連絡してみるよ」 岡さんは昨日アポ取りした内容をメモにまとめてくれていたからそれを見て、スケジュール確認を再度してから撮影部の内線で電話を掛けた。 撮影部と運航部のスケジュールを確認して撮影日が決定して両方に確認メールを送信し終わった時にはもうお昼のチャイムが鳴った。 お昼になりパソコンを閉じ、スマホをカバンから取り出して見る。するとタイミングよく彼からメッセージの通知が来ていた。 【いつもの喫茶店で待ってる】 メッセージアプリを開いてトーク画面を見て内容を確認すると、私は子犬のゆるキャラがグッサインをして【了解】と言っているスタンプを送った。 「先輩、今日は彼氏さんとですかー?」 「うん。出張から帰ってきたみたいだから」 「そうなんですね〜いいですねぇ、確か、営業の方ですよね! 私、入社した時に先輩たち見て美男美
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1.普通の幸せ(2)
 就業時間の十八時半になり、オフィスから「お疲れ様でした〜」と言う声がたくさん聞こえている中私は就業時間ギリギリに回ってきた社内報の校了前の文字校正作業を赤ペンを走らせながらやっていた。 「先輩、私上がりますけど大丈夫ですか?」 「あっ、うん。岡さん、大丈夫だよ。お疲れ様」 「じゃあ、お先に上がりますね。お疲れ様でした」 岡さんが帰って行くと今度は「聖菜」と呼ぶ桜志くんの声が聞こえてきた。 「……っ、お、桜志くん!」 「お疲れ、頑張ってるね」 「あ、うん。後少しで終わるから先に行ってて、待たせちゃ悪いし」 「先に行く訳ないだろう? 終わるまで待つよ」 桜志くんはそう言うと近くにあったパイプ椅子を持ってきてそれに座った。 「桜志くん、ごめんね。本当にあとちょっとだから」 それだけ言って内容を確認しながら赤ペンを入れ終わったのは十八時四十五分それから十五分後だった。 赤ペン入りの社内報を封筒に入れてまだ作業をしている課長のところに持っていき提出すると、椅子で座りながら寝ている桜志くんに声をかける。 「……っ終わった?」 「うん。待たせちゃってごめんね」 「全然。行こうか」 まだ残っている社員の人に挨拶をしてオフィスを後にする。 会社を出て手を繋いで駅の方に向かうと、駅前だからか会社員の人たちや学生さんで賑わっていて人が行き交っていた。それを見ながら通り過ぎ、少し路地裏に入ってすぐの場所に一軒のお家があり小さく【ティエドゥール】と書かれている看板がある。この言葉の意味はフランス語でぬくもりと言う意味だ。意味通り落ち着いた隠れ家のようなお店だ。 扉を開けると、綺麗な女性が出迎えてくれる。 「いらっしゃい、桜志くんに聖菜ちゃん。瑞希ちゃんたち来てるわよ」 出迎えてくれたのはこのお店のオーナー兼店長で料理人で 「はい。私が残業してしまったので遅れちゃって」 「そうなのね〜、二階の半個室にいるからゆっくりしていってね」 「ありがとうございます」 店の奥にいくと階段がありその階段を登って半個室部屋に向かった。いつもの紫のグラデーションのストリングスカーテンを開けると「あ、やっと来た!」と瑞希が私たちを指差した。 「聖菜も桜志も遅いよ〜待ちくたびれたんだけど」 「ごめんね、私が遅くなっちゃったの……桜志くんは付き
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2、私の家族と恋人の正体
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消えた彼女 桜志side
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